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優善の夥伴なかまになっていた塩田良三りょうさんは、父の勘当を蒙こうむって、抽斎の家の食客しょっかくとなった。我子の乱行らんぎょうのために譴せめを受けた抽斎が、その乱行を助長した良三の身の上を引き受けて、家におらせたのは、余りに寛大に過ぎるようであるが、これは才を愛する情が深いからの事であったらしい。抽斎は人の寸長すんちょうをも見※(「二点しんにょう+官」、第3水準1-92-56)みのがさずに、これに保護ほうごを加えて、幾ほとんどその瑕疵かしを忘れたるが如くであった。年来森枳園きえんを扶掖ふえきしているのもこれがためである。今良三を家に置くに至ったのも、良三に幾分の才気のあるのを認めたからであろう。固もとより抽斎の許もとには、常に数人の諸生が養われていたのだから、良三はただこの群むれに新あらたに来きたり加わったに過ぎない。
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