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伊達安芸あきの手紙は「地境論」の経過を述べたものであった。安芸の領地の遠田郡涌谷は、伊達式部の領地である登米とめ郡寺池と接していて、寛文三年このかた、三カ所に地境の争いが起こっていた。そのうちの二カ所、登米郡赤生津あこうづと遠田郡小里村の件は、安芸の譲歩によって落着したが、式部はそれで味を占めたように、桃生ものお郡の深谷でまた問題を起こした。そこにはもとから式部領の飛地があり、安芸の領地と接していたが、式部はその領境を侵して、十町歩あまりを若生半右衛門という藩士に与えた。そこで安芸は式部に抗議をし、式部は逆に安芸の不当を鳴らした。この争いは四年余日にわたるもので、現在では郡奉行こおりぶぎょうの山崎平太左衛門が預かり、国老による裁決を待つことになっていた。
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