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勝久の陸くがは啻ただに長唄を稽古けいこしたばかりではなく、幼いとけなくして琴を山勢やませ氏に学び、踊を藤間ふじまふじに学んだ。陸の踊に使う衣裳いしょう小道具は、渋江の家では十二分に取り揃そろえてあったので、陸と共に踊る子が手廻てまわり兼ねる家の子であると、渋江氏の方でその相手の子の支度をもして遣って踊らせた。陸は善く踊ったが、その嗜好しこうが長唄に傾かたぶいていたので、踊は中途で罷やめられた。
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