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「別にこれといって……」書生が答える。「私、お嬢さんの顔を見た訳ではないものですから。呼鈴よびりんが鳴ったので、行って見ますと、ドアの中から、お嬢さんが『この方をお送りしておくれ』とおっしゃって、それからあの男が一人でドアを開けて出て来たものですから、私はそのまま先に立って玄関へ送り出したのです」
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