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しかも、彼の眼にとまったのは、その一槍だけだったが、事実はうしろからも一本の槍がいちどに彼の身ひとつへ蒐あつまっていたのである。陣刀一閃せんのもとに、彼が前なる一槍を斬り落していたとき、彼のからだは、そのまま横へ泳いで行った。二ヵ所の槍傷に堪えやらず――。
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