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谷に面した狭い庭には枯々な柿の樹もあった。向うの水車も藁囲わらがこいされる頃で、樋といの雫しずくは氷の柱に成り、細谷川の水も白く凍って見える。黄ばんだ寒い日光は柿の枯枝を通して籾を積み上げた庭の内を照らして見せた。年老いた地主は白髪頭しらがあたまを真綿帽子で包みながら、屋うちの内から出て来た。南窓の外にある横木に倚凭よりかかって、寒そうに袖口そでぐちを掻合かきあわせ、我と我身を抱き温めるようにして、辰さん兄弟の用意するのを待った。
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