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京都はいい街だ。夜霧がいっぱいたちこめた向うの立樹のところで、夜鳥が鳴いている。――下加茂のお夏さんの家の前が丁度交番になっていて、赤い燈火がついていた。門の吊燈籠つりどうろうの下をくぐって、そっと二階へ上ると、遠くの寺でゆっくり鐘を打つのが響いて来る。メンドウな話をくどくどするより沈黙っていましょう……お夏さんが火を取りに階下に降りて行くと、私は窓に凭もたれて、しみじみと大きいあくびをした。
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