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小島成斎が神田の阿部家の屋敷に住んで、二階を教場きょうじょうにして、弟子に手習をさせた頃、大勢の児童が机を並べている前に、手に鞭むちを執って坐し、筆法を正ただすに鞭の尖さきを以て指ゆびさし示し、その間には諧謔かいぎゃくを交えた話をしたことは、前に書いた。成斎は話をするに、多く伊沢柏軒の子鉄三郎を相手にして、鉄坊々々と呼んだが、それが意あってか、どうか知らぬが、鉄砲々々と聞えた。弟子らもまた鉄三郎を鉄砲さんと呼んだ。
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