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元弘の忠臣菊池武時たけときが、賊将少弐大友しょうにおおともの軍に包囲されて、最期の孤塁から家郷の妻を思い、一子武重たけしげに歌を託たくして、母の許もとへ奔はしらせたというその辞世じせいを――いまの自分に思いあわせて、思わず口誦くちずさんだ人たちもあろう。
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