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石塚重兵衛の豊芥子ほうかいしは、この年十二月十五日に六十三歳で歿した。豊芥子が渋江氏の扶助を仰ぐことは、殆ほとんど恒例の如くになっていた。五百いおは石塚氏にわたす金を記しるす帳簿を持っていたそうである。しかし抽斎はこの人の文字もんじを識しって、広く市井の事に通じ、また劇の沿革を審つまびらかにしているのを愛して、来きたり訪とうごとに歓び迎えた。今抽斎に遅るること三年で世を去ったのである。
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