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彼は仏蘭西に生れ、作家となり、しかもその作品のうちで、一度も「姦通」を描かなかつた珍しい人物である。恐らく、この種の空想は、彼には堪へられないものであつたに違ひない。ある作家について、彼は軽蔑の口調を以て云ふのである――妻に裏切られても傑作が書けさへすればいゝと思つてゐるやうな男――と。
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