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上述の物語は、古いマンハットー市(訳註)の市会の席上でわたしが聞いたのと、ほとんど全くおなじ言葉で述べたものである。この会には同市のオランダ人の古賢名士が多数出席した。話をした人は、快活な、むさ苦しいなりをした紳士風な老人で、霜降りの洋服を着て、顔に悲しげな影はあったが愉快そうであった。わたしが感じたところでは、貧乏にちがいなかった。だが、彼は大いにつとめて列席のひとびとを楽しませようとした。彼の物語が終ったときには、笑い声が盛んにおこり、なかなかの人気があったが、特別大笑いをして喜んだのは、二、三人の市会議員で、物語の大部分は居眠りをしていた人たちであった。しかし、ひとり背の高い、乾ひからびたような顔つきをした老紳士がいて、眉まゆが眼の上に張りだしていたが、この人は終始、重々しい、むしろ厳しい顔をしていた。そして、ときどき腕を組み、うつむいて、床を見つめ、あたかも心のなかで何か疑いごとを思案しているようであった。彼はいわゆる用心深い人で、笑うのはしっかりした理由があるときだけ、すなわち、理窟りくつと法則とにかなったときだけである。一同の歓声がしずまり、ふたたび静粛になったとき、彼は片腕を椅子いすの肘ひじにもたせかけ、もう片腕を腰にあて、わずかではあるが、まことに偉そうに頭を動かしながら、額をちぢめて、問いただしたことは、この物語が教えようとするのは何か、ということと、この物語は何を証明するのか、ということだった。
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