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たちまち左手ゆんでの畑路みちより、夫婦と見ゆる百姓二人話しもて出いで来たりぬ。午餉ひるげを終えて今しも圃はたに出いで行くなるべし。男は鎌を腰にして、女は白手ぬぐいをかむり、歯を染め、土瓶どびんの大いなるを手にさげたり。出会いざまに、立ちどまりて、しばし一行の様子を見し女は、行き過ぎたる男のあと小走りに追いかけて、何かささやきつ。二人ともに振りかえりて、女は美しく染めたる歯を見せてほほえみしが、また相語りつつ花茨いばらこぼるる畦路あぜみちに入り行きたり。
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