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この時東京には政党が争い起おこった。改進党が成り、自由党が成り、また帝政党が成って、新聞紙は早晩これらの結党式の挙行せらるべきことを伝えた。準平と保とは国府こふにあってこういった。「東京の政界は華々しい。我ら田舎に住んでいるものは、淵ふちに臨んで魚ぎょを羨うらやむの情に堪えない。しかし大だいなるものは成るに難く、小なるものは成るに易やすい。我らも甲らに似せて穴を掘り、一の小政社を結んで、東京の諸先輩に先んじて式を挙げようではないか」といった。この政社の雛形ひながたは進取社と名づけられて、保は社長、準平は副社長であった。
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