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「せっかく、蜀しょくに立つや、劉玄徳りゅうげんとくは、遺孤いこを孔明こうめいに託して逝いった。孔明のかなしみは、食も忘れたほどだったという。――だが、わしとおぬしの間はあべこべだ。孔明に先立たれた劉備りゅうびにひとしい。――ああ、孔明に先立たれてとり残された劉備。考えてみても、落莫らくばくたるものではないか。わしの落胆、わしのさびしさ、喩たとえるものもありはしない」
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