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かねて懇意な隠居に伴われて私は暗い小作人の家へ入った。猫の入物いれものとかで、藁わらで造った行火あんかのようなものが置いてある。私には珍らしかった。しるしばかりに持って行った手土産を隠居は床の間の神棚の前に供え、鈴を振り鳴らし、それから炬燵こたつにあたりながら種々な話を始めた。極く無愛想な無口な五十ばかりの痩やせた女も黙って炬燵にあたっていた。その側には辰さんの小娘も余念なく遊んでいた。この無口な女と、竈かまどの前に蹲踞うずくまっている細帯〆しめた娘とは隠居の家に同居する人らしかった。で、私はこれらの人に関わず隠居の話に耳を傾けた。
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