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「それはこの絵巻物の奥付になっている由来記の写しだ。つまりこの如月寺にょげつじの縁起譚ものがたりの前に起った出来事で、今から凡およそ一千百年前の大昔から初まった呉一郎の心理遺伝のソモソモが書いてあるんだが、君がそれを読んでいるうちに……ハテナ……これはズット以前にコンナ処でこうして読んだ事があるぞ……という事実をハッキリと思い出すか出さないかが、矢張やはり若林と吾輩の生死の別れ目になるんだ。ね。そうだろう。それを読んだ記憶が一分一厘でも君のアタマに残っておれば、君は呉一郎に相違ないのだからね……ハハハハ……とにかく読んでみたまえ。遠慮する事はない。素敵に面白い話だから……」
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