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もし君がこのあたりの士族屋敷の跡を通って、荒廃した土塀どべい、礎いしずえばかり残った桑畠なぞを見、離散した多くの家族の可傷いたましい歴史を聞き、振返って本町、荒町の方に町人の繁昌はんじょうを望むなら、「時」の歩いた恐るべき足跡を思わずにいられなかろう。しかし他の土地へ行って、頭角を顕あらわすような新しい人物は、大抵教育のある士族の子孫だともいう。
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