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私達が学校の教室の窓から見える桜の樹は、幹にも枝にも紅い艶つやを持って来た。家へ帰って庭を眺めると、土塀どべいに映る林檎りんごや柿の樹影こかげは何時まで見ていても飽きないほど面白味がある。暖くなった気候のために化生した羽虫が早や軒端のきばに群を成す。私は君に雑草のことを話したが、三月の石垣の間には、いたち草、小豆あずき草、蓬よもぎ、蛇へびぐさ、人参にんじん草、嫁菜、大なずな、小なずな、その他数え切れないほどの草の種類が頭を持ち上げているのを見る。私は又三月の二十六日に石垣の上にある土の中に白い小さな「なずな」の花と、紫の斑ふのある名も知らない草の小さな花とを見つけた。それがこの山の上で見つけた第一の花だ。
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