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「――信玄はやはり信玄であった。彼は、その存生中に、天下へこう云っていた。われ一代のうちは、甲州四郡の内に、決して、城郭は構えず、濠一重ほりひとえの館やかたにて結構、事は足るなりと。……いま、勝頼の代になって、そこを引き移り、新城に拠よったのは、すでに父信玄の自信を失ったからであろう」
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