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昼過ぎの汽車で宮様が御通過になる由にて、線路添いの貧民窟くつの窓々は夜まで開けてはならぬ、と云うお達しが来る。干し物も引っこめるべし、汚れものを片づけるべし。母は物干台を片づけ、ぞうりをはいて屋根瓦の掃除をしている。宮様とはいったい何者なのか私達は知らない。何も知らないけれども尊敬しなければならないのだ。昼頃から、線路の上を巡査が二人みまわっている。
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