朝勃ちに気付いた痴女お姉さん

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朝勃ちに気付いた痴女お姉さん貧しきは我を措おきて人はあらじ
亡夫は麑藩げいはんの軽き城下士さむらいにて、お慶の縁づきて来し時は、太閤たいこう様に少しましなる婚礼をなしたりしが、維新の風雲に際会して身を起こし、大久保甲東おおくぼこうとうに見込まれて久しく各地に令尹れいいんを務め、一時探題の名は世に聞こえぬ。しかも特質もちまえのわがまま剛情が累をなして、明治政府に友少なく、浪子を媒なかだちせる加藤子爵などはその少なき友の一人にんなりき。甲東没後はとかく志を得ずして世をおえつ。男爵を得しも、実は生まれ所のよかりしおかげ、という者もありし。されば剛情者、わがまま者、癇癪かんしゃく持ちの通武はいつも怏々おうおうとして不平を酒杯さけに漏らしつ。三合入りの大杯たてつけに五つも重ねて、赤鬼のごとくなりつつ、肩を掉ふって県会に臨めば、議員に顔色がんしょくある者少なかりしとか。さもありつらん。
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朝勃ちに気付いた痴女お姉さん仲間と仲間も、もうむだ口一つきく者はない。たまたま、生爪なまづめでも剥はがしたのが、まごついてでもいると、こういう関係のある牧が、今寄辺よるべを失って、五百の前に首こうべを屈し、渋江氏の世話を受けることになったのである。五百は怨うらみに報ゆるに恩を以てして、牧の老おいを養うことを許した。「食う、食う」と答えたところによるとよほど食うと見える。
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