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わたくしは直すぐに保さんの住所を討たずねることを外崎さんに頼んだ。保という名は、わたくしは始めて聞いたのではない。これより先、弘前から来た書状の中うちに、こういうことを報じて来たのがあった。津軽家に仕えた渋江氏の当主は渋江保である。保は広島の師範学校の教員になっているというのであった。わたくしは職員録を検した。しかし渋江保の名は見えない。それから広島高等師範学校長幣原坦しではらたんさんに書を遣やって問うた。しかし学校にはこの名の人はいない。またかつていたこともなかったらしい。わたくしは多くの人に渋江保の名を挙げて問うて見た。中には博文館はくぶんかんの発行した書籍に、この名の著者があったという人が二、三あった。しかし広島に踪跡そうせきがなかったので、わたくしはこの報道を疑って追跡を中絶していたのである。
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