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五百は家に帰って、父に当分紋を隠して奉公することの可否を相談した。しかし父忠兵衛は即座に反対した。姓名だの紋章だのは、先祖せんそから承うけて子孫に伝える大切なものである。濫みだりに匿かくしたり更あらためたりすべきものではない。そんな事をしなくては出来ぬ奉公なら、せぬが好よいといったのである。
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