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「……ところでこれが又、局外者の眼から見るとチョット根拠の薄弱な、余計な疑いのように見えるかも知れないが実はそうでない。当時の大学生の中に怪しい奴がいた。そいつがこの事件のソモソモの発頭人で、直方事件の下手人も其奴そやつに相違ないという事を、この調査書は云いたくて云い得ずにおるように見える。……これが吾輩の所謂いわゆる、自白心理だ。問うに落ちずして語るに落ちるという千古不磨せんこふまの格言のあらわれだ。呉一郎が生まれた真実の時日と場所を知っているのは、母親の千世子を除いてはWとMの二人きりだからね」
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