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芝桜川町なる山木兵造が邸やしきは、すぐれて広しというにあらねど、町はずれより西久保にしのくぼの丘の一部を取り込めて、庭には水をたたえ、石を据え、高きに道し、低きに橋して、楓かえで桜松竹などおもしろく植え散らし、ここに石燈籠いしどうろうあれば、かしこに稲荷いなりの祠ほこらあり、またその奥に思いがけなき四阿あずまやあるなど、この門内にこの庭はと驚かるるも、山木が不義に得て不義に築きし万金の蜃気楼しんきろうなりけり。
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